インテンション
ワークショップ
とは
ワークショップとは課題に対して参加者達が集まり、自発的に発言や行動をおこない、学び、そして創造を重ねるトレーニングの場のことです。体験講座やカルチャースクールという意味で捉えられていることが多いかと思います。
インテンションワークショップは体験講座やカルチャースクールとは違い、声優の仕事を一生の職業にするべく学ぶ、デビューに向けたスクールとして開講します。
声優として必要なボディコントロールや思想を身につけ、演じる事に喜びを感じられるプログラムを用意しています。
鈴村 健一 SUZUMURA KENICHI
9月12日生まれ、大阪府出身。声優として数多くの人気作に出演し様々なキャラクターを幅広く演じている。
また、ラジオパーソナリティーや音楽活動など多彩な分野で活躍するほか、アドリブ芝居舞台『AD-LIVE(アドリブ)』をプロデュースするなど新たな分野へも挑戦している。
主な出演作品
青柳 敦子 AOYAGI ATSUKO
演出家、ボイス&アクティング・コーチ
国立音楽大学(リトミック専攻)卒業。在学中よりオペラ演出家の(故)三谷礼二に師事。その後、デボラ・アン・ディスノー(映画監督・演出家・女優)のもとでアメリカ最先端の演技、演出法のトレーニングを積む。これらを経て、音楽と演劇の壁を越えた創作、指導のスキルを獲得。現在は、劇団テアトル・エコーに所属。プロデュース・ユニットぐるっぽ・ちょいすを主宰。ライブハウス曼荼羅主催リーディング・ライブ・シリーズ「岸田國士を読む。」実行委員長を務め、演劇でも朗読でもない「リーディング・ライブ」という新しい表現の形を構築している。
INTENTION WORKSHOP講師
国際演劇協会日本センター(ITI /UNESCO)会員
主な演出作品
ほとんどの方は、日常的にTVや映画でたくさんの表現者の演技に触れています。しかし、演じるということがどんなものなのかを説明できる人は少ないと思います。
実は、これから始まる表現者として積み重ねるべき思想や技術には「はっきりとした答え」があるものではありません。数学のように方程式があるわけではなく、もちろん答えは一つとは限りません。とはいえ、沢山の演技者がいる中で選ばれた人だけがステージに立っているのもまた事実です。つまりは何かしらの「選ばれる理由」があるのです。
では「なにをすればいいのか?」
個性的な声。個性的なしゃべりかた。
どちらも、もちろん大切な要素です。
しかし、もっとも基本となるのがリアリティのある心の「反応」です。
我々の日々の暮らしは「反応」することの連続です。
お腹が空いたから「食べる」
怒られたから「泣く」
褒められたから「笑う」
我々は何かに反応し続けているのです。
演技の基本は日常の再現とも言われます。演じる際に拠り所となるのは、己の身体が反応した感覚。
しかし、セリフを与えられた途端、「どうやって動こうか?」「どうやってしゃべろうか?」という作為が生まれがちです。日々起きていることは決して予定調和ではないのです。今、この瞬間に起きていることに反応しているに過ぎません。演技というのは、この「反応」をいかに作為的ではなく、新鮮に心を「反応」させることできるかがカギになってきます。
アニメーションの仕事ではより誇張した演技が要求されますが、この基本が身についていれば、どんなに荒唐無稽なキャラクターでも、リアリティという土台の上で演じる事が出来ます。
インテンションワークショップでは、「反応」する感覚をしっかりと認識するトレーニングを行います。
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インテンションワークショップでどんなトレーニングを行うのか、少しだけ紹介いたします。
ワークショップは全13回。前半5回と後半8回で担当者が変わります。
前半は青柳敦子さん、後半は鈴村健一が担当します。
ワークショップの前半の目標は「アイスブレイキング」です。日常の生活の中でいつの間にか厚くなっている自分の心を覆う氷、ほかの人との間にある氷、自分のやる気にブレーキをかけている氷、自信を冷ましてしまう氷……。そんないろいろな氷(殻と言ってもいいかもしれません)をぶち破って、夢や目標に向かってゆく自分の姿をしっかりと確認し、モチベーションをさらにアップすることを目指します。
前半のカリキュラムで
・トレーニングをポジティブに楽しめるようになる
・できないこと、知らないこと、わからないことでも思い切ってやってみる勇気を持つ
・自分がやりたいと感じたことは、何でも試してみる好奇心を持つ
・相手のために一緒にやる思いやりを持つ
といったことを手に入れられれば、ワークショップの後半戦を充実したものにすることができると思います。
ワークショップは「参加する人」のものです。積極的に挑戦し、提案し続ける人だけが、貴重な「何か」を手にすることができるはずです。
前半の具体的なカリキュラムの特徴の一つは、あえて「台本を使わない」という点です。
・体を動かすトレーニング(アイソレーションの基本)
・呼吸のトレーニング
・身体と呼吸を使ったエクササイズ
・様々なタイプの即興
これらを通して、自分がいま何を「感じて」いるかをキャッチし、相手から受け取ったものに敏感に即時反応してゆく感覚を体感してもらいます。
具体的なエクササイズの内容や解説はここではしません。ですが、取り上げる内容は、どれも特別なことではなく、きっとどこかで「ゲーム」や「遊び」として触れたことがあるものばかりだと思います。それを演劇的な目線でもっと深く掘り下げてやってみる。そんな切り口を用意しています。
先に頭で理解するのではなく、ワークショップのその場で感じたことをどんどん試してゆく!
その体験が積みあがった後で、理解は初めて可能になります。怖いところに自ら飛び込んでいく、いわばバンジージャンプに挑戦するような勇気をもって参加してください。そんな勇気ある人たちとの出会いを楽しみにしています。
僕が主催している90分間を即興で演じる舞台『AD-LIVE(アドリブ)』のシステムを使ったエチュードトレーニング。世界観とキャラクターの設定を決めて、自由にシーンを演じていきます。さらに、“アドリブワード”という、ランダムに配られる言葉達をセリフに変えながらドラマを構築しなければいけません。キャラクターをキープし続ける感覚は、お芝居の基本です。シーンの中で生まれてくるキャラクター同士の関係性を出演者達で共有することの重要性、リアルタイムに湧き上がる身体感覚をドラマに反映させることで演じる事の面白さや難しさを身をもって感じてもらいます。
解説「考える」と「感じる」を同時におこなうことは演技にとって重要なことです。台本を読めば、「このキャラクターはこんなことを考えている」という分析をします。でも実際に演じる際、その分析を持ち込んでしまうと身体が動かなくなってしまったり、必要以上に説明的なお芝居をしてしまいます。
例えば、生活の中で足の小指をぶつけたとします。まず皆さんは痛いと感じているでしょう。と、その後イライラしたり落ち込んだりしてることに気がつきます。つまり、人はいつだって先に身体が反応するということです。感情は後から分析することで浮き彫りになるだけで、小指をぶつけた瞬間に動く感覚は、まず身体からだということ。
「考える」だけでは形だけのお芝居しかできません。「感じる」を表現するには、起きた出来事に反応する瞬発力が大切なんです。では「考える」が必要ないかというとそういうことではありません。世界観やキャラクターの設定、台本を読み込む「考える」ことは絶対に必要です。その裏付けがあった上で「感じる」身体を使って演じなければいけないのです。
『AD-LIVE(アドリブ)エチュード』は、「考える」ことで理解した世界観やキャラクターを「感じる」瞬発力で演じるトレーニングです。
お芝居は自意識との戦いです。自意識とは、緊張の要因となります。
「みんなにどう見られているんだろう」「シーンを上手く演じてやろう」など、自分というものに意識が高まってしまうことで人は緊張します。緊張をなくすために必要なのは、集中です。
そのためには演じる役が向かう先の「意図」が必要です。
ただ右手を挙げるシーンを演じるとします。実はこれが意外と自然には出来ません(笑)。自意識が強い状態では、どんな風に手を上げよう、指先は変じゃないかな、と余計なことを考えてしまいます。でも「タクシーを止めるため」とか「応援するために突き上げる」など、行動の「意図」があればそこに向かっていくことで集中出来るようになります。「意図」をどう見つけるかのトレーニングをあらゆる方法で学んでいきます。台本の読み解き方はもちろん、このキャラクターならどんな行動をするのかを自由に演じる事で、役の可能性を広げるチャレンジをしていきます。
自意識と仲良くなる?自意識はない方がいいんじゃないの?と思った方もたくさんいたと思います。実は、自意識はなくせません。よく役になりきるという言葉を聞きますが、それはただの暴走を生み出してしまう可能性があります。役を演じることをコントロールしなければ、プロとは言えないんです。特に声優は、このコントロールが重要です。アニメの口パクを合わせなければいけませんし、どのマイクに入らなければいけないかも考えます。ノイズも出してはいけませんからゆっくり動かないとダメです(笑)。とにかく演じながら、他の事もたくさんやらなければいけないんです。だから、自分の意識も持ったまま役を演じることが必須です。感覚的には、役を後ろから客観的に見ている感じでしょうか。この辺りのことも学ぶことで身につけられるようになります。
バラバラのシーンの台本を使います。
“怒っているシーン”“泣いているシーン”“笑っているシーン”“心穏やかなシーン”“必殺技を叫ぶシーン”シチュエーションも空気感もまったく違うこのシーンを、連続で演じていきます。シーンの切り替えは指導者の指示に従って行います。その際、切り替えにはスピード感を大切にします。ただし、各シーンはそのスピード感には左右されないように演じていきます。
声優の仕事は演劇やドラマの収録と違い、1ロール単位で行います。TVアニメで言えば、CM前後の約15分ずつの2ロール分割されます。15分の間には複数のシーンが混在しています。敵と戦っているかと思えば、お茶の間に切り替わったり。この特殊な収録スタイルは声優の仕事特有のものです。声優として仕事をこなしていくためには、日々この収録スタイルに適応しなければなりません。このスタイルに適応するために必要なものは、感情のコントロールです。
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